京都新選組同好会史(七)

(一)同好会結成へ
(二)同好会結成の夜
(三)池田屋事変記念パレードの準備
(四)堀川警察署「署長室」での1時間
(五)第1回 池田屋事変記念パレードの日(1)
(六)第1回 池田屋事変記念パレードの日(2)
(七)テレビ番組への出演
(八)時代祭参加への初動(1)
(九)時代祭参加への初動(2)

テレビ番組への出演

京都新選組同好会副長 土方歳三こと奈良磐雄


11PMの生番組でインタビューを受ける横田局長



 第1回池田屋事変記念パレードで京都新選組同好会が、祇園祭宵山の都大路を濶歩したことが翌17日の朝刊に大々的に報道されるや、予想をはるかに超えて、全テレビ局からの出演依頼が殺到した。幕末以来、日陰者扱いされていた新選組を、我々の行動で白昼に出せるまたとないチャンスが以外と早くやってきたのである。

 パレードを終えてまだ熱気の冷めない我々は、局長以下、話しに乗らない手はないとすべてOKの返事をしていった。ただ、どの局から出演するかは少々考える必要があったが、やはり一番目は全国津々浦々まで電波が届くNHKがよいのでは…民放は出演依頼のあった順に出ようということに決めた。

 初出演は笑福亭仁鶴が司会をやっているNHKのお昼の番組と決まった。当日は12時半からの出演にもかかわらず、10時には二条城前の本陣に集合した。新選組の衣装を着けて人前に出るのはパレード以来の二度目、ましてテレビ出演は初めてのことで、大いに気持ちが高ぶっていた。この時は結成してまだ間が無く、衣装は高津商会からの借り物を着用した。用意を整えた我々一同はNHK京都放送局まで、パレードの時と同じく隊列を組み、誠の隊旗を先頭に、二条城のお堀を左手に見ながら歩いて行った。  局へ到着後、受付に京都新選組同好会が出演依頼を受けてやってきた旨を伝えると、番組ディレクターがにこにこして出てきた。今日は新選組に関わりのあるゲストをもう二人お呼びしていますといって紹介された相手はなんと、新選組の相手役の鞍馬天狗を演じていた嵐寛十郎こと嵐寛と、燃えよ剣で土方歳三を演じて、あまりのはまり役だったために、その後映画俳優としてはめぐまれなかった(?失礼)栗塚旭さんがそこにいた。

 簡単な打ち合わせのあとすぐ本番が始まった。視聴者も参加できる大きなスタジオの袖から、仁鶴さんの「新選組同好会の皆さんどうぞ」の合図で、隊旗を先頭に新選組の歌に合わせて入場していった。テレビに映っていると思うだけで、頭が真っ白になったが、すべってころんではだめだと、細心の注意を下駄ばきの足に集中していたことだけは覚えている。同好会の成りたちや目的、隊士の新選組に対する思いなどの質問のあと、副長の私が局中法度書きを読み上げるという流れで、10分程の出番は無事終わった。

   NHK出演に続いて、読売テレビの「11PM」、関西テレビの「関西珍版瓦版」などなど、1年間はテレビ、雑誌などの取材を受け、大いに新選組の史実にもとづいた正当な立場を広報することに役立つことができた。
  つづく
 
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